水銀灯からLED照明に変更するメリットとは
工場の倉庫やオフィス、体育館、ホールなど空間が広く、多くの光量が必要な場所で幅広く活用されている水銀灯。蛍光灯に比べて照射力が強く、寿命が長いなどのメリットがあり、多くの企業や自治体などで採用されています。
ただし近年、LED照明の登場によって市場のニーズにも変化が見られています。オフィスや工場などの照明を水銀灯から、さらにメリットの多いLED照明に取り替える企業が増えてきているようです。市場の変化に伴い、水銀灯の生産は年々縮小しています。こちらのページでは、工場や企業の省エネをお手伝いする「株式会社ライフステージ」が水銀灯からLED照明へ変更することにより、どの程度のコスト削減が見込めるかをご紹介します。
水銀灯とは
水銀灯は、市場でもっとも普及しているHID照明(水銀蒸気中の放電によって発光する照明)です。水銀とアルゴンを発光管内に封入し、高い水銀蒸気圧で放電するよう設計されており、安価で寿命が長く大光束を得られる点が特徴といえます。白熱電球よりも発光効率がいいため、大光束の照明が必要とされる工場や体育館など比較的広いスペースの建物で多く採用されています。
水銀灯のメリット・デメリット
水銀灯のメリット
水銀灯のメリットは大きく「長寿命」「高発光効率」「大光束」の3点が挙げられます。
その1:長寿命 | 約3,000~12,000時間の寿命があり、約1,000~3,000時間の白熱電球よりも長持ちします |
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その2:高発光効率 | 白熱電球に比べて発光効率が3倍以上あり、同程度のW数でも非常に明るく経済的です。 |
その3:大光束 | 光量が多いため、道路照明、高天井の工場や倉庫、スタジアムやプールなどのスポーツ照明など幅広く利用されています。 |
水銀灯のデメリット
水銀灯のデメリットは大きく「演色性」「消費電力」「点灯時間」の3点が挙げられます。
その1:演色性 | 赤みの欠けた青白色が基本であり、演出にこった自然な色を発光することができません。 |
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その2:消費電力 | 一つの照明あたりの発光効率は高いといえますが、W数が高いため、消費電力も高くなります。 |
その3:点灯時間 | スイッチを入れてから10分程度の時間を要するうえ、安定器が必要になります。 |
水銀灯とLED照明との比較
上記のようにいい面も悪い面もある水銀灯ですが、LED照明に変更することによってメリットの部分をさらに強化し、デメリットの部分をカバーすることができます。
名称・画像 | 水銀灯 | LED照明 |
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消費電力 | 400W | 100~130W |
寿命 | 3,000~12,000時間 | 40,000時間 |
演色性 | Ra=45以下 | Ra=70以上 |
点灯性 | 5~10分 | 瞬時点灯 |
ランプ発熱 | 300~400度 | 80~90度 |
水銀含有率 | 30mg | なし |
光束の低下率 | 2,000時間で-30% | 2,000時間で-10% |
※演色性とは太陽光の下で見た状態を100として、色の見え方を数値化したものです。数値が低くなるほど本来の色とは異なる色に見えます
水銀灯をLED照明に替えることのメリット
上記の比較表の通り、LED証明は水銀灯よりも多くの点において性能が高いことがわかります。なかでも取り替えることで大きなメリットがあるのは、「経済面」「環境面」「性能面」の3点です。
経済面におけるメリット | 性能面におけるメリット | 環境面におけるメリット |
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LED照明を導入すると水銀灯の約1/4の消費電力で点灯することができ、約75%の節電効果が得られます。また、LED照明は80~90度と発熱を抑えられるため、空調の負荷を軽減でき冷房効率が上がります。 | 水銀灯の平均寿命が3,000~12,000時間なのに対して、LED照明は40,000時間で4~10倍ほど高寿命です。また、LED証明はスイッチを入れたら瞬時に明かりがつくので、水銀灯のように明るくなるまでに5~10分ほど待つ必要もありません。 | LED照明は水銀を使用していないため、破棄の際の処理も安心・安全です。また、素材がフィラメントやガラスではないため、割れて破片が飛び散る心配もありません。漏電の危険性も少なく、火災につながる可能性も低いといえます。 |